「個人で国からお金を借りる?そんな方法があるの?」
はい、国からお金を借りる方法は複数あります!
突然の失業や病気など生きていると様々なアクシデントが発生します。
そんなときに公的融資制度は、セーフティーネットとして機能する役割があるのです。
個人で国からお金を借りるための公的融資制度は色々な種類があり、それぞれ目的別にお金を借りる方法があります。
しかも公的融資制度は営利を目的としていませんので、金利もとても低くなっています。
このサイトでは、そんな公的融資制度について詳しく説明しています。
今現在、すぐにでもお金が必要な人も、今は必要のない人でも、もしもの時に備えてぜひ参考にしてみてください。
個人で国からお金を借りるには生活福祉資金貸付制度を利用する
個人で国からお金を借りる制度の代表的なものとして生活福祉資金貸付制度という制度があります。
銀行や消費者金融の融資のように、特に宣伝されていませんのであまり知られてはいませんが、生活福祉資金貸付制度は低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象とした国の融資制度ですので、銀行や消費者金融などの金融機関よりはお金を借りるハードルが低いです。
とは言っても、誰でもお金を借りるわけでは無く、それなりの条件や審査もありますし、審査で落ちてしまう場合もあるのです。
また、生活福祉資金貸付制度は、大きく分けると4種類に分かれていて、それぞれ目的別に融資を行っていますので、ここで解説していきますね。
生活福祉資金貸付制度
- 総合支援資金
- 福祉資金
- 教育支援資金
- 不動産担保生活資金
一時的に生活に困ったら総合支援資金を利用しよう
個人で国からお金を借りる方法である、生活福祉資金貸付制度の中に総合支援資金という項目があります。
総合支援資金を利用して融資を行うのですが、その融資目的も3つに分かれています。総合支援資金の融資目的、利用方法を見ていきましょう。
必要最低限の生活費に生活支援費
個人で国からお金を借りる方法の融資目的の一つ目に生活支援費というものがあります。
生活支援費は、必要最低限の生活に必要なものに使うことができます。つまり、衣食住に充てる費用にすることができます。
具体的には、食費、衣類、家賃や住宅ローンなどです。
月額の借り入れ可能金額は、単身者で15万円、2人以上の世帯で20万円までとなっています。
期間は原則で3カ月以内ですが、最長で12カ月まで延長が可能です。
住居関連の費用に住宅入居費
個人で国からお金を借りる方法、次は住宅入居費についてです。
住宅入居費は、新たに住宅を賃貸契約するときにかかる費用に充てることができます。
具体的には、敷金、礼金、仲介手数料などに使用することができます。
利用するパターンとしては、実家に住んでいて失業し、新しい就職先に努めるために実家を出なければいけない場合などです。
住宅入居費の借り入れの上限は40万円となっています。
生活支援費でまかなえない費用は一時生活再建費
個人で国からお金を借りる方法において、生活支援費でまかないきれない部分においては、一時生活再建費を利用することができます。
一時生活再建費は、就職活動に必要な費用、例えば何かの技能を習得するための費用であったり、滞納している公共料金の支払いや債務整理のための弁護士費用などに充てることができます。
生活支援費は日常の最低限の生活を送るための費用に使用することになりますが、一時生活再建費は、元の日常生活を取り戻すための費用に使用するものと言えるでしょう。
障害者世帯でも利用しやすい福祉資金
個人で国からお金を借りるために利用できる、福祉資金という資金があります。
福祉資金は、その融資目的として2つに分かれています。
介護やサービスを受ける為に必要な費用に福祉費
こちらは、主に障がい者世帯に融資する目的の資金になります。障がい者のいる世帯が、介護やサービスを受ける為に必要な費用に使用することができます。
例えば、障がい者用の自動車の購入や、福祉用具の購入、バリアフリー化するための費用などにも使うことができます。
福祉資金の融資上限は最大で580万円と他の支援資金に比べて高くなっています。
個人で国からお金を借りる方法の中でも特に手厚いと言えるでしょう。
緊急的に支援が必要な場合は緊急小口資金貸付
個人で国からお金を借りる方法の中で、緊急的な理由で融資を受けることができるのが緊急小口資金貸付です。
例えば、盗難などによってお金を盗られてしまったり、火災によって財産を焼失してしまった場合などです。
また、勤務先から突然解雇されてしまったり、差し押さえなどにより自分の財産を使えなくなってしまった場合にも利用可能となります。
貸付上限金額は10万円ですが、緊急事態には役立つ制度と言えるでしょう。
学校関連費用は教育支援資金を利用しよう
個人で国からお金を借りる方法において、教育関連のお金は、教育支援資金を利用することができます。教育支援資金は、教育支援費、就学支度費に分かれています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
学費や通学費用などには教育支援費
まずは、教育支援費についてです。教育支援費は、学費や通学費用に充てることができます。
毎月の学費や通学費ですので、毎月融資を受けることができます。
月額の上限は、
- 高等学校:¥35000
- 高専、短大、専修学校:¥60000
- 大学:¥65000
となっています。
いずれも実際の学費に応じて、限度額内での貸し付けになります。また、無利子で借りることができるのでありがたい支援費と言えるでしょう。
入学の準備費用には就学支度費
次に、就学支度費についてです。就学支度費は、学校に入るための準備に使用することができます。
例えば、入学金や教科書を購入する費用、パソコンなどを購入する費用などとしても使うことができます。上限は50万円までで、こちらも無利子となっています。
高齢者世帯で不動産を所有していれば不動産担保生活資金
個人で国からお金を借りる方法の中に不動産担保生活資金という資金があります。
これは、高齢者世帯に対して、所有する不動産を担保に支援を受けるというものです。
不動産担保生活資金の特徴としては、毎月返済していく必要がないというところです。
毎月一定のお金を受け取り、本人が死亡した際に不動産を売却して融資資金の回収をするといことになります。
条件にもよりますが、土地、建物の評価額の70%程度を月ごとに渡してもらえるということになり上限は30万円となっています。
自宅に住み続けることができますし、返済の必要もないので利用するのも一つの案だと言えるでしょう。
生活福祉資金貸付制度の限度額や金利、返済期間一覧
生活福祉資金貸付制度の限度額や金利、返済期間をまとめてみました。
総合支援資金
限度額 | 利子 | 償還期間 | |
---|---|---|---|
生活支援費 | 単身世帯:月15万円以内 2人以上世帯:月20万円以内 |
連帯保証人あり:0%(無利子) 連帯保証人なし:年1.5% |
据置期間経過後 20年以内 |
住宅入居費 | 40万円以内 | 連帯保証人あり:0%(無利子) 連帯保証人なし:年1.5% |
据置期間経過後 20年以内 |
一時生活再建費 | 60万円以内 | 連帯保証人あり:0%(無利子) 連帯保証人なし:年1.5% |
据置期間経過後 20年以内 |
※原則として連帯保証人1名必要、ただし、保証人なしでも貸付可
※延滞利子は「年5%」になります。
福祉資金
限度額 | 利子 | 償還期間 | |
---|---|---|---|
福祉費 | 580万円以内 ※用途により変動 |
連帯保証人あり:0%(無利子) 連帯保証人なし:年1.5% |
据置期間経過後 20年以内 |
緊急小口資金 | 10万円以内 | 0%(無利子) 連帯保証人不要 |
10ヶ月 |
※福祉費は、原則として連帯保証人1名必要、ただし、保証人なしでも貸付可
教育支援資金
限度額 | 利子 | 償還期間 | |
---|---|---|---|
教育支援費 | 高等学校:月3.5万円以内 高等専門学校:月6万円以内 短期大学:月6万円以内 大学:月6.5万円以内 |
0%(無利子) 連帯保証人不要 |
据置期間経過後 20年以内 |
就学支度費 | 50万円以内 | 0%(無利子) 連帯保証人不要 |
据置期間経過後 20年以内 |
※連帯保証人は原則不要ですが、審査により世帯内で連帯借受人(原則として保護者)が必要になります。
不動産担保生活資金
限度額 | 利子 | 貸付期間 | |
---|---|---|---|
不動産担保型生活資金 | ・土地の評価額の70%程度 ・月30万円以内 |
年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率 | 借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が 貸付限度額に達するまでの期間 |
要保護世帯向け 不動産担保型生活資金 |
・土地及び建物の評価額の 70%程度(集合住宅の場合は50%) ・生活扶助額の1.5倍以内 |
年3%、又は長期プライムレートのいずれか低い利率 | 借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が 貸付限度額に達するまでの期間 |
※不動産担保型生活資金は原則として連帯保証人(推定相続人の中から選任)が必要になります。
生活福祉資金貸付制度の申し込みから貸付までの流れ
お住まいの市区町村の社会福祉協議会ごとに申し込みから貸付までの流れが変わることもありますので、実際に申込をされる際には、お住まいの市区町村の社会福祉協議会にご確認ください。
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1市区町村の社会福祉協議会で相談
社会福祉協議会に相談に行く際にはあらかじめ本人確認書類・生活の困窮度がわかるもの(解雇通知書など)・借入れが必要な理由がわかるものを持っていくのがいいでしょう。
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2市区町村の社会福祉協議会で申告書の記入・申込
社会福祉協議会の職員の方と相談しながら申告書に記入・申込を行います。所要時間は最短でも1時間はかかります。
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3都道府県の社会福祉協議会へ書類の送付・審査
市区町村の社会福祉協議会から書類が送られ、都道府県の社会福祉協議会で協議・審査されます。
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4申告者の自宅へ審査結果回答の書類が送付される
申告から審査が完了し書類が郵送されるまでには最短でも1か月はかかるとされています。
step
5借用書に署名、市区町村の社会福祉協議会へ提出
審査結果を確認し、貸付可能とされた場合には借用書に必要事項を記入し、社会福祉協議会へと提出します。
step
6振込みにより貸付実行
書類に不備が無ければ貸付が振込にて実行されます。
生活福祉資金貸付制度で審査に落ちるのはこんな人
生活福祉資金貸付制度は、公的融資制度つまりセーフティーネットなので、誰でも借りれるイメージがありますが、実際には申し込むには、いくつかの条件があります。
前提として、低所得者(収入が少なく金融機関などから借り入れが出来ない状況の人)や高齢者、障害者などが原則なのですが、それでも「審査が厳しい」「審査に落ちた」などという口コミも見かけます。
では実際に、どのような人が審査に落ちてしまうのか、落ちやすいのかを調べてまとめてみました。
審査に落ちるパターン
- 生活保護の受給をしている
- 過去に生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になっている
- 過去に生活福祉資金貸付制度の利用実績があるがその返済を滞納している
- 貸付が行われても返済の見込みが全くない
- 借金歴が多く借金の借り換えを目的としている
- 自力での返済が難しいほどの借金を抱えている
- 税金や公的年金などの悪質な滞納者
- 家族や親戚に、生計を支えられるほどの十分な収入がある
- 生活福祉資金貸付制度以外の公的資金の借入が可能な場合
- 実は贅沢な暮らしをしている
- 民間の金融機関からでも問題なく借りられる
各市町村の社会福祉協議会の審査内容によっても差が出てくるとは思いますが、上記の1つでも当てはまっていると生活福祉資金貸付制度の審査には落ちる可能性があるということを認識してから申し込むようにした方が良いです。
審査自体に時間もかかりますので、申込むだけ損になってしまいます。
【緊急】新型コロナウイルス感染症に関する生活福祉資金の特例貸付制度
生活福祉資金の特例貸付制度
個人で国からお金を借りる!他にもある公的融資制度
個人で国からお金を借りる方法として、生活福祉資金貸付制度ついてお話をしてきました。
個人で国からお金を借りる方法としては、生活福祉資金貸付制度以外にも制度があります。
ここからは、生活福祉資金貸付制度以外の個人で国からお金を借りる方法について見ていきましょう。
職業訓練期間中など求職活動中は求職者支援資金融資制度を利用
失業などにより求職活動をする人に対して求職者支援資金融資制度というものがあります。
具体的には、ハローワークで職業訓練を受ける予定月数×条件により決定した月額、を借り入れすることができる制度です。
- 単身者の場合、月額5万円
- 同一生計の配偶者、子、父母がいる家庭の場合、月額10万円
が上限になります。この上限内で決定した金額に、職業訓練の受講予定月数を掛けた金額を一括で借り入れることができます。
失業状態で一括でまとまったお金を借りることができるのは、とても利用価値のある制度と言えるでしょう。
限度額 | 利子 | 償還期間 | |
---|---|---|---|
求職者支援資金融資制度 | ・同一生計の配偶者、子、父母がいる家庭の場合: 月額10万円(上限) × 受講予定訓練月数(最大12) ・上記以外の場合(単身者など) 月額5万円(上限) × 受講予定訓練月数(最大12) |
年3.0% (信用保証料0.5%を含む) 遅延利息:年14.5%の損害金 |
訓練終了月の4か月後の末日以降、 貸付日から5年以内(貸付額が50万円以上の場合は10年以内) |
母子家庭、父子家庭は母子父子寡婦福祉資金貸付金制度を利用
個人で国からお金を借りる方法において、母子家庭、父子家庭などひとり親世帯を対象にした母子父子寡婦福祉資金貸付金制度といいう制度があります。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は12の目的別に分類されています。
具体的には、
- 事業開始資金
- 事業継続資金
- 修学資金
- 技能習得資金
- 修業資金
- 就職支度資金
- 医療介護資金
- 生活資金
- 住宅資金
- 転宅資金
- 就学支度資金
- 結婚資金
に分類されています。
各資金とも保証人がいれば無利子になる場合が多く、保証人がいなくても1%程度の金利の場合が多いですので利用しやすい制度と言えるでしょう。
内閣府男女共同参画局のサイトに詳しい条件がまとめられていますのでぜひ参考にしてみてください。
年金受給者のための公的融資制度、年金担保貸付
個人で国からお金を借りる方法のうち年金受給者が年金を担保に借り入れができるのが、年金担保貸付です。年金担保貸付は、独立行政法人福祉医療機構が運営しています。
貸付金の金額は10万円から200万円となっていて、受給している年金の金額によって変わります。
年金受給者がお金を借りる際には民間の金融機関では年齢的に借り入れができない場合も多くなってきますので、年金担保貸付を利用するメリットはあると思います。
教育一般貸付は教育支援金ではまかなえない部分をカバーできる
国からお金を借りる方法として教育支援金を紹介しましたが、教育支援金ではまかなえない部分をカバーすることができるのが教育一般貸付です。
また、教育支援金は低所得者世帯が対象でしたが、教育一般貸付は低所得者世帯でなくても利用することが可能です。
利用目的は、入学金や教科書、勉強のための機材の購入費用、さらには留学費用などにも利用可能です。いわば、教育に関するものであれば、何にでも利用可能ということになります。
利用できる条件としては、中学校卒業以上の子供が通う様々な学校に必要な費用であるということと、保護者の年収が規定以下であるということになります。
保護者の年収の規定とは、親の年収と子供の人数によって以下のように決まります。
条件次第で返済免除看護師等修学資金
国からお金を借りる方法として、看護師等修学資金という資金があります。
看護師等修学資金とは、看護師を養成する学校に在籍していて、看護師として就業する意思のある人が利用することができます。
看護師が減少傾向にあることからこの制度が設けられています。
看護師等修学資金の特徴として、全国の自治体が指定する病院(200床以内)で5年以上勤務することによって返済が免除されるということがあります。
看護師等修学資金は看護師を目指す人にとってとても強い味方と言えるでしょう。
個人で国からお金を借りる方法:社会福祉協議会に申請をしよう
個人で国からお金を借りる方法というテーマで様々な公的融資制度を紹介してきましたがいかがだったでしょうか?
ご紹介した公的融資制度を利用するためには、まずは自分が住んでいる市町村の社会福祉協議会に相談をしてみましょう。
自分の今の状況を説明し、融資が必要と判断されれば申し込みをすることができます。必要書類の提出や審査を経て、融資の可否が判断されます。
個人で国からお金を借りる場合は、民間の金融機関から借りるより金利はかなり安くなりますし、無利子の場合も多くなっています。
今回ご紹介した内容を参考にしていただいて、ぜひ国からお金を借りるを実現させてください。